本記事は運用型広告の配信プラットフォームの一つであるLINE Ads Platformの基本事項を整理した記事です。
目次
LINE Ads Platformとは
LINE Ads Platformとは、LINE株式会社が提供している運用型広告の配信プラットフォームです。広告主はLINE Ads Platformを利用することで、SNS「LINE」のタイムラインやLINE NEWS、LINEマンガ、LINE BLOG、LINEポイントへ広告を出稿できます。
参考:公開資料 – LINE AD CENTER
LINE Ads Platformの主な掲載先
LINEタイムライン
「LINE」アプリ内のタイムライン上で、友だちや公式アカウントの各投稿の間へ広告を配信できます。いわゆるインフィード形式の広告です。
LINE NEWS
「LINE」アプリ内のニュースページ(ニュースタブなど)、「LINE NEWS」アプリ、「LINE NEWS」ウェブページへ広告を配信できます。
LINEマンガ
アプリのダウンロード数1,700万件を超える「LINEマンガ」へ広告を配信できます。
参考:LINE Ads Platformにて「LINEマンガ」上での広告配信を開始致しました – LINE Ads Platform 公式ブログ
LINE BLOG
月間PV2億超の「LINE BLOG」へ広告を配信できます。
LINEポイント
LINEプラットフォームの中で貯めて使えるポイントサービス「LINEポイント」へ広告を配信できます。
参考:LINE Ads Platformの掲載面紹介 LINEマンガ・LINE BLOG・LINEポイント – LINE Biz Solution
Hike Network(終了)
LINE Ads Platformを通しての1,000を超えるメディアの広告枠を保有していたHike Networkへの広告配信は、2018年1月31日(水)12:00をもって終了しました。
LINE Ads Platformの費用
LINE Ads Platformの費用は出稿する広告の種類によって、以下の課金体系で発生します。
クリック課金型
クリック課金型とは、広告がユーザーにクリックされると料金が発生する形式です。LINE Ads Platformでは、広告の種類として「静止画フォーマット」を利用する場合の課金体系です。1クリックあたりの広告料金をクリック単価(Cost Per Click=CPC)と呼びます。
インプレッション課金型
インプレッション課金型とは、広告が表示されると料金が発生する形式です。LINE Ads Platformでは、広告の種類として「動画フォーマット」を使用する場合の課金体系です。1,000インプレッションあたりの広告料金をインプレッション単価(Cost Per Mille=CPM)と呼びます。
友だち追加課金型
友だち追加課金型とは、ユーザーが広告を通して自社のLINEアカウントを友だちとして登録すると料金が発生する形式です。キャンペーンの配信タイプとして「CPF AD」を使用する場合の課金体系で、1友だち追加あたりの広告料金をCPF(Cost Per Friend)と呼びます。広告の種類としては静止画のみが使用できます。
LINE Ads Platformの掲載の仕組み
LINE Ads Platformの広告掲載は、広告主の入札金額(クリック課金型であれば1クリックあたり〇〇円まで支払うという上限CPC、インプレッション課金型であれば広告の表示1,000回あたり〇〇円まで支払うという上限CPM)を用いて、他社の広告と入札競争を行うことで決定するオークション形式です。オークション指標はeCPM(effective Cost Per Mille)が使用され、最もeCPMの高い広告が掲載されるのですが、実際の支払い金額(クリック単価やインプレッション単価)は自分より一つ下の値のeCPMが適用されるセカンドプライスオークションの仕組みで決定します。
※eCPMのクリック率(CTR)は、配信サービスによって推定クリック率や過去のクリック率が使用されます。
LINE Ads Platformの自動最適化配信
LINE Ads Platformでは、広告主が手動で上限CPCや上限CPMを設定する手動入札と、目標に合わせて最適な入札金額を自動で設定してくれる自動最適化配信(自動入札)の機能があります。
CPC自動最適化
クリックデータに基づいて、目標とする上限クリック単価(上限CPC)の範囲でクリックの獲得を最大化するよう入札を自動調整してくれる機能です。CPC自動最適化を使用する場合は、上限クリック単価の最低設定金額は36円になります。
CPA自動最適化
コンバージョンデータに基づいて、目標とする獲得単価(目標CPA)の範囲でコンバージョンの獲得を最大化するよう入札を自動調整してくれる機能です。CPA自動最適化を使用する場合は、目標CPAの最低設定金額は50円です。
LINE Ads Platformの予算設定
予算の設定はキャンペーン単位
LINE Ads Platformでは、キャンペーン単位で予算(日予算/月予算)を設定できます。ただし、設定予算の98%の広告費を使用すると満額消化とみなされるため、広告予算を満額使い切りたい場合は、広告予算を98%で割り戻した金額を設定する必要があります。
予算スムージング機能
LINE Ads Platformでは、自動最適化配信を利用しないと、広告費の使用(キャンペーンの設定予算まで)を優先して配信が行われます。そのため、設定予算や入札金額によっては、夕方以降は予算切れで広告配信が停止する、ということも多々あります。対して、自動最適化配信を利用すると、予算スムージング機能が適用され、設定されている日予算を24分割して予算を1時間ごとに制御してくれます。そのため、本来は1日の早い段階で予算切れを起こしてしまうキャンペーンでも、予算スムージング機能によって夜まで広告配信を続けることが可能になります。
LINE Ads Platformの配信メニュー
通常配信
最もオーソドックスな配信メニューです。ダイレクトレスポンス案件であれば、まずは間違いなく通常配信を利用すると思います。
リーチ&フリークエンシー
フリークエンシー(広告接触回数)と配信期間を指定して、タイムラインへ通常配信よりも優先的に広告配信できるメニューです。LINEのタイムラインは月間アクティブユーザーが6,300万を超え、その内の約4,600万人は月1回以上タイムラインの広告に接触しているため、リーチの最大化を目標にしている場合などで効果的な配信メニューです。注意点としては、最低出稿金額あり、クリエイティブは動画のみ配信可能、配信面はタイムラインのみということが挙げられます。
ブランドリフトサーベイ
広告の接触有無でユーザーを分類し、接触ユーザーと非接触ユーザーそれぞれに対して、広告認知度・ブランド認知度・利用経験・好意度・利用意向などの項目を調査することで、広告のブランディング効果を測定するメニューです。
ファーストビュー
1日1社限定でタイムラインの広告掲載領域の最上部へ動画広告を掲載できるメニューです。1ユーザーあたり1回までの広告配信となっていますが、1日最大24時間で約1,800万リーチを期待できるようです。
LINE Ads Platformで配信できる広告の種類
静止画フォーマット
アイコン+イメージ(画像)+タイトル+ディスクリプション+アクションボタンで構成される表示形式の広告です。静止画フォーマットは、LINEタイムライン・LINE NEWS・LINEマンガ・LINE BLOGで使用可能で、1080×1080ピクセルのスクエアサイズはタイムライン限定です。各要素の入稿規定は以下の通りです。
アイコン:114×114ピクセル(50KB以内)
イメージ(画像):1200×628ピクセル or 1080×1080ピクセル(10MB以内)
タイトル:20文字以内(全角半角問わず)
ディスクリプション:75文字以内(全角半角問わず)
アクションボタン:管理画面上でプリセットより設定
参考:クリエイティブグリッドツール – LINE Ads Platform
動画フォーマット
アイコン+動画+タイトル+ディスクリプション+アクションボタンで構成される表示形式の広告です。動画フォーマットは、LINEタイムライン・LINEマンガの一部配信面・LINE BLOGで使用可能で、動画アスペクト比1:1のスクエアサイズはタイムライン限定、動画アスペクト比9:16のバーティカルサイズは配信メニュー「リーチ&フリークエンシー」「ファーストビュー」限定です。各要素の入稿規定は以下の通りです。
動画フォーマット:mp4
動画アスペクト比:16:9 or 1:1 or 9:16
動画解像度:1080p(広告配信時は最大720p)
動画ビットレート:最大8Mbps
動画時間:5秒~120秒
動画ファイルサイズ:最大100MB
アイコン:114×114ピクセル(50KB以内)
サムネイル画像:自動生成
タイトル:20文字以内(全角半角問わず)
ディスクリプション:75文字以内(全角半角問わず)
アクションボタン:管理画面上でプリセットより設定
LINE Ads Platformのターゲティング
性別
男性/女性を分けてターゲティングできます。
年齢
-14歳、15-19歳、20-24歳、25-29歳、30-34歳、35-39歳、40-44歳、45-49歳、50歳-の区切りで、特定の年代のユーザーをターゲティングできます。
地域
47都道府県より、特定の都道府県を指定して広告を配信できます。
興味関心
18種類のカテゴリより、特定の興味関心を持つユーザーを指定して広告を配信できます。ユーザーの興味関心の判断は、LINE内での行動履歴(スタンプ購入履歴、LINE公式アカウント・LINE@・友だちの登録履歴など)を利用しています。
LINE Ads Platform 興味関心カテゴリー
- ゲーム
- デジタル機器・家電
- スポーツ
- 職・ビジネス
- ファッション
- 家・インテリア・園芸
- テレビ・番組
- 音楽
- 教育・学習・資格
- 金融
- 健康
- 自動車
- エンタメ
- ショッピング
- 書籍・マンガ
- 食べ物・飲み物
- 美容・コスメ
- 旅行
OS
iOS/Androidを分けてターゲティングできます。OSのバージョンも指定可能です。
配信面
App面/WEB面を分けてターゲティングできます。
セグメント配信
いわゆるリターゲティング配信で、セグメントタグや広告識別子をトリガーとして、自社サイトの訪問ユーザーなどをターゲティングできます。購入ユーザーやアプリインストールユーザーなどを広告配信の対象から外すこと(セグメント除外)も可能です。
Lookalike(類似配信)
ソースセグメント(コンバージョンユーザーのセグメントやアップロードした顧客情報)と類似しているLINE内のユーザーを狙って広告配信するターゲティング手法です。ターゲティング対象の類似度は1~10%まで選択可能です。媒体資料を見る限り、性別・年齢・OS・OS Version・興味関心の項目で類似度を判断しているようです。
リエンゲージメント
アプリインストール済みのユーザーの中で、休眠ユーザー(一定の期間アプリを起動していないユーザー)を狙って広告配信できる機能です。
LINE Ads Platformで広告を掲載できない業種や商材
以下の業種・商材については、LINE Ads Platformで広告を掲載できません。
• 宗教関連(魔除け関連、霊感商法霊視商法、神社仏閣等)
• エステ(一部除く)
• ギャンブル関連、パチンコ等(一部公営くじ除く)
• アダルト(成人対象の性的な商品サービス等のアダルト全般、性的表現が扱われている作品サービス、児童ポルノを連想させるもの等の青少年保護育成上好ましくない商品サービス、精力剤、合法ドラッグ等)
• 出会い系(インターネット異性紹介事業、結婚相談、お見合いパーティー等)
• 無限連鎖講、MLM
• 探偵業
• たばこ、電子タバコ
• 産経用品(避妊具、女性用体温計等)
• 武器全般、毒物劇物
• 政党
• 公益法人、NPO/NGO、社団法人(一部除く)
• 生体販売
• 医療系、美容整形系、ホワイトニング、病院・クリニック、特定疾患の啓蒙サイト
• 医薬品、医療機器の場合で、LINE公式アカウントのNG商材にあたるもの
• 消費者金融(一部除く)
• 不動産投資、金融投資、FX
• 質屋
• クラウドファンディング
• オークション、入札権購入型オークション
• マッチングサイト(一部除く)
• ポータルサイト、掲示板
• アフィリエイトサイト
• 情報商材
• ポイントサイト(ポイントサービスを主体としたサイト)
• 弊社競合サービス(メッセンジャーアプリ、SNSアプリ、ニュースキュレーション、ゲーム、音楽アプリ等)